看護師は女性が多く、子育てと仕事は切っても切り離せない関係です。
「子育ても楽しみたい!仕事だってイキイキと頑張りたい!」
と思っているひとは多いです。
そこで本記事では、小さな子どもを子育て中の看護師によくある悩みについて、紹介します。
本記事を読めば、子育て中の看護師によくある悩みを客観的に確認でき、自分だけが悩んでいるのではないと、気持ちが軽くなるでしょう。
共感できた部分で自分の悩みがはっきりすれば、次は悩みを解決するために、どう行動すれば良いのかがわかってきます。
精神科で看護師長の私も息子2人(中1と小5)を育てながら働いています。
忙しい毎日、ちょっと立ち止まって、自分が何に悩んでいるのかを見直す時間も大切ですよ。
看護師の子育てと仕事の悩み
わが国の調べによると、看護師の退職理由の1位に「子育て」が挙げられています※。
皆さんも、下記のような悩みを持っているのではないでしょうか?
よくある看護師の子育てと仕事に関する悩み
- 正社員で働きにくい
- キャリアアップがむずかしい
- 子どもの体調不良で急な休みが必要になる
- パートナーの協力が得られない・少ない
- もっと子どもが欲しいけどお金がない
- 子育てにほとんど関われない
- 休日も仕事に時間を奪われる
上記の7つの悩みは、私の看護師(看護大学教員も含む)としての経験もふまえて挙げています。
どの悩みが共感できるのか、ひとつずつ見ていきましょう。
正社員で働きにくい
病棟で働くママさん看護師をみていると、正社員で働きたくとも働けずに肩身のせまい思いをしながら勤務している姿をみかけます。
もちろん、家族の協力や工夫と努力をして正社員として働く看護師もいますが、
- 8:45〜17:00のフルタイムで働けない
- 早出勤、遅出勤、夜勤がむずかしい
と考える方も少なくないはず。
自分が女性だったら、母親として活躍する妻の役割を見て、
忙しい看護の職場です。
そう思ってパートとして働くことを選択するのもとても分かります。
キャリアアップがむずかしい
正社員として働けない=キャリアアップがむずかしい
そうなってくるのは必然です。
といった道や、
いろいろキャリアアップ
- 看護師として5年の経験を積み上げ → 大学院へ進学 → 専門分野を極め専門看護師へ
- 臨床で働き講習を突破して認定看護師へ
- 正社員としてバリバリ働き「看護師→看護主任→看護師長→看護部長」といった出世コースにのる
- 看護師から保健師への転職
- 看護師からさまざまな看護職への転職
というキラキラしたキャリアは、
ってあきらめがちになりますよね。
私の同僚には、
なんてことをパートナーに言われ、
と言って総合病院での救急・急性期医療10数年のキャリアを捨てて、わが病棟で働いている看護師さんもいます。
「子どもと仕事どっちとるんだ?」なんていう旦那にカチンッときましたけど、イキイキと働く姿に励まされます。
子どもの体調不良で急な休みが必要になる
幼稚園・保育園から小学生のお子さんを持つ親なら何度も経験することでしょう。
病棟で朝に電話がなると、心がざわざわします。
プルルルッ。
昨日の夜から子どもが熱を出しちゃって。
こっちは仕事まわしておくから、子どもさんの側にいてあげて。
なんてことはよくある日常でした。
最近は、コロナ感染で保育園が休園になって、数日間スタッフが2〜3名いないなんてこともしばしば。
休ませてもらったお詫びにお菓子のセットを持ってくるスタッフもいて、気をつかいっぱなしのママさん看護師。
パートナーの協力が得られない・少ない
女性の家事負担がどうしても大きくなる現在。
家事は女性がするものという偏った考え方がまだまだ根強く残っている印象を受けます。
私の同僚(40代女性)でも
という方がいるけど、かなり典型的ですよね。
私はこの旦那さんの言い方に
ってビックリしちゃいました。
ここまで強い偏りはないけど、わが家でもやはり妻の家事負担が大きいのは否めません。
ですから、
- 洗濯物を干す
- 下着・タオルをすべて用意して子どもたちとお風呂に入る
- 必ずゴミ集めからゴミ捨てをする
- 家族とおでかけする
- 普段の買い物にはついて行って荷物をもつ
といった家事・育児を積極的に行うようになったんです。
これでも、毎日の料理やあと片づけなんかは妻がメイン。
男性の私が看護師として元気に働けているのは、妻が支えていてくれるからに他なりません。
と悩んでいる女性看護師さんはとっても多いです。
もっと子どもが欲しいけどお金がない
私には息子が2人いますが、本当は3人目の子どもが欲しかったんです。
しかし、経済的にきびしい状況で、
という感じで今にいたります。
赤ちゃんできると、また仕事を休まなきゃいけないし、時間にも余裕がなくなる。
そんな声も聞こえてきそうです。
民間病院の男性看護師で主任として働く私。
教育費や食費など、子育て費用は増えるいっぽうなのに、肝心の支えが増えない。
とってもきびしい現状なのです。
一般的にも看護師の給料は伸び悩むといったことが言われています。
ひと休みコラム
私は”看護は看護”でも、大学で看護教育をしていた経験をもつ特殊な経歴をもっています。
職場の人間関係や、当時大学院生博士課程での悩みに行き詰まっていました。
何より、大学教員の業務、通勤の大変さからほとんど子育てを妻に任せきりにしていた。
そんな環境からもっと子どもと家族と関わりたい人生にしたいと思って、臨床の看護師に戻ったという経緯があるんです。
子育てにほとんど関われない
大学教員になって2年目のときにマイホーム購入。
今30歳(当時)。
人生80年としたら、あと50年です。
それを紙面上で見たときに
「人生ってあとこれだけしかないんだ。」
と感じたんですよね。
これまで20代は若さとともにガムシャラにやってましたけど、
って漠然と思ったのです。
時に大学教員の生活では、
- 朝5:30に家を出て、朝7:00に出社し、22:30まで会議なんてこともありました。
- 今後看護実習が増えると、1〜2週間泊まりがけで遠方へ出張することも考えられたのです。
自分が優先するのは、
大学の仕事よりも家族ともっと同じ時間を過ごしたい。
でした。
と思ったんです。
仕事が原因で自分が本当にやりたい子育てに関われないのなら、辞めて自分が本当にしたいことに時間を使う。
そう決意して現在の看護師へ転職しました。
仕事が忙しすぎて子どもとの関わりが希薄になり、それを悲しいと思っているのであれば、自分が本当にしたいと考えていることをすべきです。
休日も仕事に時間を奪われる
看護大学の教員をしていたときは、
- 土曜出勤は当たり前。
- 1日中、常に看護研究のことを考えている。
こういった状況でした。
看護師として働いていても仕事に自分の自由な時間を奪われる経験がしばしばあります。
たとえば休みの日に勉強会があって出席しなければならないとか。
今の職場でも、
「残業申請して良いから大丈夫よ、ゆっくりやって。」
と上司から言われたことがあります。
一見すると優しい部下思いの上司に見えますが、部下(私)は残業なんてしたくないんですよ。
「看護師によくある子育てと仕事の悩み」のまとめ
看護師であっても悩みは人それぞれ。
ほんとに尽きることはありません。
今回は7つの悩みについて、私の経験をもとにお話をさせていただきました。
よくある看護師の子育てと仕事の悩み
- 正社員で働きにくい
- キャリアアップがむずかしい
- 子どもの体調不良で急な休みが必要になる
- パートナーの協力が得られない・少ない
- もっと子どもが欲しいけどお金がない
- 子育てにほとんど関われない
- 休日も仕事に時間を奪われる
と思ったところもあれば、
と感じたところもあったことでしょう。
また本記事を読んでいただいたことで、
- 自分が何に悩み
- 何を大切にしているのか
が見えてきたことでしょう。
- イキイキと仕事ができる時間も
- たっぷりと愛情を注いで子どもと関われる時間も
立ち止まる機会がなければあっという間に過ぎていきます。
「悩み」と「大切にしたいもの」、この部分がはっきりとしたとき、
将来へむかって自分の意志に沿った行動が取れます。
どうぞ、大切な人生を大事なひとたちと楽しく自由に過ごせるきっかけとなりますように。