はじめに
本記事は、子育てや家族との時間を大切にしたいけれど、できなくて悩んでいる看護師さんへ向けて書いています。
本記事を読めば、わが国のデータとわたしの経験(看護師歴10年、看護大学教員5年)をもとにした、子育て世代看護師の「転職理由の本音」を知ることができます。
- 子育てにしっかりと時間が取れ
- 自分も生き生きと働いている
子育て世代の看護師であるわたしは、そんな理想の生活を夢みて
看護大学の教員から精神科看護師の臨床現場へ”意を決して転職した者”
です。
看護師の離職理由のトップに「子育て」が挙げられていますが、もちろんそれ以外の要因もからみあって新天地を求める方がたくさんいるのは事実。
今日はその転職理由の「本音」の部分にせまってみました。
ですから今回は1つの”もの差し”として、
わが国のデータと私の経験(看護師歴10年、看護大学教員5年)をもとに
特に子育て世代看護師の「転職理由の本音」として挙げられるだろう「5つをピックアップ」しました。
5つの理由はこちら!
5つの理由
- 子育てを優先したい
- 家族と過ごす時間を増やしたい
- 職場の人間関係がつらい
- 給料が上がらない
- 自分を守りたい
です。
他の看護師がどんな理由で辞めた(辞めたい)のかを知るとともに、自分の転職への思いの強さを確認してみましょう。
「子育て世代の看護師」が転職する本当の5つの理由
子育てを優先したい
子育て世代の看護師であるなら、ほとんどの方がこの理由を挙げることでしょう。
【こちらもチェック】→子育てとの両立なんて無理?看護師によくある子育てと仕事の悩み
もちろん、厚労省による統計調査でも
看護師の退職理由の1位が「出産・育児」のため
です。
また4歳から15歳までの子どもを持つ「子育て世代看護師」の約18%〜25%の方が看護師パートを選択し、
「子育てを優先する」
という思いのもとで仕事をしています。
- 多忙な職場で時間外労働があたりまえになって体が疲れていたり、
- 人間関係の悪さから心がしんどくて落ち込んでいたりすると、
そういったこともあってか、
正社員ではなく看護師パートで身も心も身軽になって働いている
という方も少なくないのです。
家族と過ごす時間を増やしたい
「子育てを優先したい」に通ずるところがありますが、
と思う方も少なからずいるはずです。
【こちらもチェック】→子育てとの両立なんて無理?看護師によくある子育てと仕事の悩み
看護師で働くと、たとえ育児が大変なママさん看護師でも「時間外労働の免除」や「休日労働の免除」、「短時間勤務」を
受けたくてもうけられないことが多い
とデータが記しているのです。
また免除や支援を受けられたとしても、
なんてこともあります。
まだ子どもさんも小学生くらいでしょ。手がかかるやん。
大きくなって子どもに言われたわ。
あの頃は寂しかったって。
と師長がおっしゃっていました。
と、その話を聞いて改めて思いましたね。
今は定時退社できる職場を選んで良かったと心から思いました。
職場の人間関係がつらい
職場の人間関係については、子育て世代だろうとなかろうと、悩む人が”わんさか”います。
- 自分と合わない人と一緒に働きたくない
- 嫌な上司に合わせて仕事をしたくない
- 白衣の天使なんていないと悟った
- 医師の態度が横暴
といった「人間関係」の辛さから、
と考える人は多いです。
看護師の退職理由の調査からも明らかで、
退職理由の1・2位「結婚・出産・育児」、3位の「他の施設への興味」に続いて、堂々の4位。
と思うなかれ、
- じぶんの健康(問題)
- 給料(が少ない)
- 仕事の負担(残業や夜勤)
- 休暇がとれない
- 医療事故への不安など、
さまざまな理由を押さえての「この4位というランク」です。
裏を返せば、
「人間関係」が退職のネガティブな理由1位といっても過言ではありません。
厚労省の調査
厚労省の調査では、人間関係で退職した方は調査対象11,999名のうち12.8%(1,535人)。
もちろん、この数は「氷山の一角」だとわたしは感じます。
って方もたくさんいらっしゃるだろうし、
という方もいるでしょう。
かく言うわたしも、人間関係には敏感でいつも悩まされています。
今の職場でも「ぜんぜんこの人と一緒に仕事をしたくない!」って方がいても愛想笑いしながら働いているんです。
- ソリが合わない人なんてたくさんいるから、あきらめて働かないと仕方がないよ。
- 社会に出たら、そんなの当たり前。我慢して生きるしかなんだから。
という方がいらっしゃるかもしれませんが、それでもイヤなんです(笑)。
こんなイヤなことを「当たり前」と思いたくないんです!
このつらさから転職する人は今後もあとを立たないかもしれません。
しかし、穏やかな人間関係で、「この程度なら許せる」といった自分の許容範囲の中で過ごせる環境がきっとあります(今のわたしのように)!
給料が上がらない
子育て世代はお金がたくさんいるのに、
そんなふうに嘆いたことがある、そんな方は手をあげてみてください。
厚労省の統計調査でも退職理由の1つに「給与に不満があるため」がもちろんあって、
実に調査対象の11,999名の8%、およそ959人の看護師が自分の給与に不満をもって退職した
のです。
と思ったのですが、このデータは給与に不満があって退職した方々。
わたしのように、給与に不満はもちつつ、働いているという看護師さんは「5万といる」といるはずでしょう。
他の職業にかぎらず、わたしたち看護師も、やはり労働の対価はお金であり、
がんばりを認めてくれる病院からの感謝(対価)は「お金」である!
と思っています。
言うまでもありませんが、わたしたちも”病院で働かせてもらっているという謝意”はもちろん持っています。
ですが看護師もボランティアではないですから、働きに見あった報酬がほしいのは当然。
にもかかわらず、
という方も多いのではないでしょうか?
わたしの勤める民間病院は9年間勤めて、トータル基本給の昇給額が2,300円程度です(ほんとにリアルな金額を暴露です)。
日々の仕事でもスタッフたちと
とよくお話をしています(笑)。
基本的に毎年の昇給額はここ数年ゼロ円です(実話)。
大黒柱なので本当に「どういうこと!?」って詰め寄りたくなります(笑)。
しかも、当院の財政状況(収支報告)を労働組合に示して、
って上層部から説明があるなら、こちらにも納得がいきます。
現場には
- 「使用するオムツの枚数を減らせ」
- 「マスクは1日2枚」
- 「手袋は薄っぺらい安い手袋を使って」
など
給料の少なさに悲観して退職・転職していく方も多いです。
わたしも主任でなければ、とっくにお暇しているかもしれません。
子育て世代は、子どもが成長するにつれて食費・遊興費・教育費とかさんでいきます。
ときには高い給料を求めて転職することもあるでしょう。
自分を守りたい
厚労省の調査による看護師の退職理由に
- 「超過勤務が多いため」
- 「休暇がとれない・とりづらいため」
- 「夜勤の負担が大きいため」
- 「本人の健康問題のため」
といった理由がありました。
すべて「自分を守る」につながっています。
と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
それはそれで”その人の考え方”なので、否定も肯定もしません。
しかし、看護師だって1人の人間です。
自分の健康は自分で守っていくしかないんです。
「自分を守る」ため、ひいては「子どもや家族を守る」ための転職があって良いとわたしは思います。
つねに自己中心的になっては周りも嫌がるでしょうが、自分を守る精神は忘れてはならないと考えています。
【仕事を辞めた本音】子育て世代の看護師が転職する5つの理由のまとめ
看護師でなくとも転職理由の上位にくる職場の人間関係のつらさ。
「すべての悩みは人間関係によるもの」
と提唱しています。
また、病院での医師の地位はまだまだ絶対的なところがあって、
なんて看護師もいます。
さらに、
総合病院で働く看護師は若い女性が多く、「結婚→出産→子育て」がセットになってやってくるもの。
その上、
なんてことになれば、そりゃ誰だって看護師を辞めたくなります。
たくさんお給料がもらえる場所(病院)へ転職して当然だと考えます。
加えて、
我慢を続けていれば最終的には身体的にも精神的にも追い詰められることになる。
今回の5つの本音では、転職のさいに堂々と面接で回答できるものもあれば、そうでない理由もありましたが、
自分の人生、「自分が生きたいように生きる」がわたしのモットー。
他人の幸せを願いつつも、じぶんだって大切にしていきましょうね。
【こちらもチェック♪】
→子育て世代の看護師さん必見!子育てしやすい病院に転職する方法
こちらもCHECK
-
現役看護師ママたちが伝授!子育てしやすい病院を選ぶ6つのポイント
と、悩んでいる方も多いのではないでしょうか? 実際に、仕事優先の職場から子育てしやすい病院へ転職して、子育てと仕事の両立をし、人生を楽しんでいる看護師ママもたくさんいます。 そこで本記事では、子育て優 ...
続きを見る